熱血系看護師

僕は小学生の頃入院したことがある。近所の診療所に紹介された、地方の大学病院だったと記憶している。自宅から電車で一時間の駅を降りて、二十分ほど歩いた先にある病院。夏休みを利用して入院していたのだが、当時、某ハンバーガーショップで発売されたバナナシェイクを飲む機会を失い、病院につくなりいきなり怒っていた。当然、入院中に飲むにしても、近場に店舗が無い。自宅周辺にはあるのだが、夏の猛暑で溶けることは子供にもわかる。となれば行き場のない怒りを抱えながら、入院生活を送ることとなる。なんだかんだと駄々をこねた割には、それもすぐに薄れたのだが。入院してすぐに友人が出来たのだ。わかりやすく砕けた医療の話をする看護師のお兄さん。同室になった子達。年齢はバラバラでも、話は通じるし、ふざけるのには十分なほど元気な人達。幼かった僕にはそれで十分だった。看護師のお兄さんは、この部屋の担当のような感じで良く来てくれていた。就寝時間後に起きていると、怖い話をこっそり聞かせてもらった。個性的で楽しい人だったのをよく覚えている。それでも看護師であることを忘れさせない。医療の話が出ると、目付きや雰囲気が引き締まるのだ。夜勤明けに顔を出してきても、疲れた顔を見せない。同室の子達の顔色を見て、元気に手を振り帰宅する。たった一ヶ月入院しただけだったが、その姿はよく見かけた。看護師の苦労は勤務だけでなく、患者への気配りもあることをこの時知った。