業界用語

これは僕が入院していた頃の話だ。当時、小学生の僕は刑事ドラマやスパイドラマが好きだった。暗号のような言葉で会話を成立させ、犯人を追い込んでいく様が、とても格好良く映っていた。そんな話を仲のいい、看護師のお兄さんに話したところ、医療にも似たようなものがあるという。例えば「入り」これはよく看護師同士で使われるものらしい。深夜勤務に入るときに使うそうだ。そして反対に「明け」深夜勤務を終えたときに使うらしい。少し怖かったのが「全麻(ぜんま)」全身麻酔を指すらしい。なぜだか、当時の僕はこれを動力のゼンマイと勘違いし、人の体にはこれが刺さっているというジョークを真に受けてしまった。当時、最もかっこよく感じたのは「ER」緊急救命室の略称らしい。他にも多数の用語を教えてもらったが、これくらいしか覚えていない。医療の場では、一秒でも早く状況を伝える必要があるため、これらの用語を交える必要があるんだとか。命がかかっていることが多い為、覚えるのも必死なんだそうだ。業界用語には、そう言った利点があるから出来上がったもの。自然と会話から作られたもの。古くから医療の場で使われていたもの。様々のようだ。どの業界にも専門用語がある。それがどういった用途で作られたにしろ、使う人間がいるから創られた。とはいっても、「スーシー」や「ギロッポン」などの業界用語は少々理解に苦しむところだが。医療とは、やはり大変な現場なんだと思い直した、思い出話。最近資格を取って看護助手になった友人に、今度会ったらにいろいろと教えてもらおう。